2016/11/30

物件の売り時を見極める際のポイント解説

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

求められる出口戦略を意識した投資

日本の個人の不動産投資家の多くが、不動産投資も株式投資と同様に、利益も出れば損失も出せることを忘れてはいないでしょうか。人口減少により、以前にもまして流動性リスクや不動産価格の下落リスクが高まってきています。こうした時代には、賃料で入ってくる収入よりも、保有物件の価値が低下することで被る損失額の方が簡単に多くなります。そのため、こうした事態を避けるためにも、前もって出口戦略を考えておくとことが非常に重要となります。

どういった時に物件の売却を考えれば良いのでしょうか。

景気動向を把握するための簡単な方法

自分の保有する不動産物件の良し悪しに関わらず、すべての不動産物件が、マクロである日本の景気動向の影響を大きく受けます。そのため、今の日本経済が景気循環の中のどの辺りに位置するのか把握することは非常に重要です。

しかし、「自分は経済の知識がないから、そういったことはよく分からない」と思っている不動産投資家も多いのではないでしょうか。

そういった方でも、簡単に把握できる方法は、東証株価指数と東証REIT指数の動きを見ることです。東証株価指数は日本経済の先行指数、そして、東証REIT指数は不動産市場の先行指数なので、この2つをチェックすることで日本の景気動向はそれなりに把握できます。

景況感が良い時はこれらの2つの指数は上昇トレンドにあり、不動産の現物価格も上昇する傾向があります。そして、景況感が悪化してきますと、2つの指数は下落トレンドに転じ、不動産の現物価格も下落していきます。ですので、これら2つの指数が上昇トレンドにある時に物件の売却を考えることが重要となってきます。

住環境の変化を考慮に入れる

不動産物件は、マクロである日本の景気動向だけではなく、住環境の変化からも影響を受けます。マクロとミクロのちょうど中間に位置するのが、住環境なのです。

物件を購入する際は、誰もがきっとその地域に住む多くの人が求めるものを多く持った物件を購入しているはずです。そして、それによって空室リスクを軽減しているはずです。

しかし、住環境とライフステージの変化に伴って、こうした人々が求めるものも変わるため、以前は空室率の低かった物件の空室率も高まります。こうした変化に対応するためには、リノベーションによりその物件をアップデートし今人々が求める物件に変えるか、もしくは売却し違う物件に乗り換えるかです。

まず住環境がどのように変化したのか。それにより人々が今求める物件はどのようなものに変わったのか把握します。その上で、リノベーションを行うとしたらどれくらいの予算がかかるのか計算し、同時に物件を売却するのならどれくらいの値段で売却できるのか調査します。リノベーションの費用+賃料予測と売却益を比較し、最終的にリノベーションをするか売却をするのか考えれば良いでしょう。

物件の老朽化 保有物件も年を取る

最後はミクロである不動産物件自体の問題です。保有している物件も年を取ります。物件の老朽化が進みますと、修繕箇所も年々徐々に増えてきます。それにより、仮に賃料が一定だとしても修繕費用が増えることによって、保有物件のコスト対比でのリターンは低下していきます(もちろん、修繕に費やす時間もコストに含まれてきます)。

こうしたコスト対比でのリターンが低い、つまり投資効率が悪い物件は、投資の世界では決して理想的な投資対象とは言えません。物件の投資効率が悪くなってきたら、物件の売却を考える良いタイミングだと言えるでしょう。

例えば、物件が老朽化してきたら今後5年間で修繕する可能性ある箇所をリストアップし、その修繕にかかるおおよその費用を計算します。そして、その修繕費が賃料の何%を上回ったら売却を考えるといった自分なりのルールを敷いても良いのではないでしょうか。

ベストな物件の売り時は?

このように物件の売り時を見極める際のポイントには、景気動向、住環境、投資効率の3つがあります。

ベストな物件の売り時は、上に挙げた3つが重なる時、もしくは少なくとも2つが重なる時でしょう。

その中でも、最も重要となってくるのはマクロである日本の景気動向でしょう。景気が悪い状況では、物件が売れる可能性は低くなります。仮に売却できたとしても、自分の希望価格からは安くなるかもしれません。

景気動向を主軸におきながら住環境の変化や投資効率の影響を考えた上で、売却の計画を立てるのが理想的と言えるでしょう。

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