2016/11/30

どっちがお得?徹底検証「外貨保険vs円建て保険」

(写真=PIXTA)

生命保険の中でも、分かりにくい商品が「外貨保険(外貨建て保険)」です。今回は「外貨保険と円建て保険の比較」を通して、保険の仕組みを解説していきます。

保険でいう「外貨建てと円建て」とは?

毎日の経済ニュースで外国為替の状況が報じられていますが、生命保険にも「外貨」建て商品が販売されています。

外貨建て保険の対象外貨はほとんどアメリカドル、豪州ドル、ユーロです。死亡保険金が外貨建てになっています。例えば死亡保険金10万ドルの保険の場合、毎月支払う保険料は100ドルとします。実際の保険料は、その時点のレートの円建て保険料になりますから、9,000円のときもあれば、11,000円の場合もあるでしょう。外貨建て保険の保険料は、その時点での為替レートの日本円で支払います。円高では保険料は安く、逆に円安の場合は高くなります。

死亡、満期保険金などは外貨で受け取りますが、日本円で受け取る場合は為替変動リスクを伴います。つまり極端な話、保険金受取日によって保険金額が変動するのです。その他には、円貨と外貨との為替手数料がたびたび発生するリスクもあります。

一方、円建ては円貨による保険料、保険金であり、為替とは無関係です。

外貨建て保険の種類とは

銀行や証券会社では「資産形成」のための金融商品として外貨建て保険が販売されています。内容は「満期保険金」のある「養老保険」や満期保険金を分割で受け取る「個人年金保険」、そして中途解約することで返戻金を受け取る「終身保険」のどれかになります。つまり、掛け捨てといわれる「定期保険」は販売されていません。

養老保険の場合は「30年満期」などの保険期間を決め、満期保険金を設定します。終身保険の場合も死亡保険金を設定し、払い込む期間によって月々の掛け金が決まります。終身保険の場合は、頃合いをみて解約することで返戻金を受け取ります。

いずれも円建て保険と仕組みは同じですが、満期保険金や解約返戻金を円で受け取る場合は、その時点での為替レートによる影響を受けます。

外貨建て保険と円建て保険のメリット、デメリット

外貨建て保険のメリットは、貯蓄の面で「保険を使って資産形成」ができるという点です。多くの資産を持つ人にとって銀行預金や有価証券、外貨預金や株式投資、不動産投資などに加え、外貨建て保険という選択肢と考えるのがよいでしょう。ポートフォリオ(さまざまな投資商品を組むことでリスク分散を図る)の一部と考えると、興味深い商品といえます。

一方でデメリットは為替差損の可能性、つまり払い込んだ保険料よりも「満期保険金」「解約返戻金」のほうが少ないというリスクがあることです。極端な為替変動リスクに加え、為替手数料も少なくないのです。

円建て保険のメリットは、円レートに連動していますので、保険料や保険金の変動リスクがありません。ただ、貯蓄目的という点では一部の外国国債などに比べて利率が低いため、アドバンテージがないのが事実です。

ですが、円建て保険には月々の保険料の中から割合を決めて国債や社債、株式(外債も含め)などに投資する「変額保険」や、企業オーナー向けの保険商品「定期逓増保険」など、会計上有利な使い方ができる商品などもあり、実は数多くのメリットも隠されているのです。

「外貨建て保険」はどんな人に向いている?

「外貨建て保険」は保険の名前を借りた「外貨建て金融商品」である、といってよいでしょう。死亡保険額は円建て換算が定まらない保険商品なので、投資目的と考えます。既に資産形成が出来、一種の分散投資のつもりで掛けていきましょう。満期保険金や解約返戻金を外貨のまま保有(外貨専用口座が必要ですが)することもでき、外貨資産として活用することもできるでしょう。

外貨保険と円建て保険、結局得なのはどちらか

外貨保険が多くの保険会社で販売されているのには、理由があります。生命保険を新たに契約する若年層がどんどん減っており、保険会社は今後ますます「保険金」を支払う業務が増えてくるのです。

こうした中、生命保険各社は「死亡保険」から「貯蓄保険」へのシフトを高めています。銀行や証券会社も個人資産の取り込みと、運用先を増やそうとしています。

円建てがよいのか外貨建てがよいのかは、考え方にもよります。また将来、日本円で生活をするのであれば、円をベースに考えることになりますから、保険が満期を迎えるときの為替の状況にもよるでしょう。ただ少なくとも、資産を日本円だけで持つことはリスクが高いといえるのではないでしょうか。

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