2016/11/30

その「株主優待」は本当にもらうべきか?優待狙いで陥りやすい失敗

(写真=PIXTA)

株主優待を狙った株式投資は個人投資家が気軽に始めやすい投資手法として有名です。一方で、株主優待の権利確定日前後の株価動向を知らないと、株主優待を貰ったにも関わらず損失が出ることもあり得ます。 どうしても株主優待を得た上で利益を出したい場合は、ある程度リスクを取る必要があります。

株主優待とは

株主優待とは、その制度を取り入れている企業が株主に何らかの優待(商品券、商品、割引サービス等)を提供する制度を言います。

主に小口の個人投資家がターゲットになっており、日本では株主優待制度を設けている企業も多いです。これ自体は多くの人が知るところですが、重要なのは、株主優待の権利を得る日程です。 多くの場合、権利確定日が月末最終営業日で、株主優待を得る為にはその3営業日前の時点で当該株式を保有していなければなりません。その翌日を「権利落ち日」と呼ぶ事が多いです。

例えば、権利確定日が31日なら、その3営業日前(土日などを挟まなければ28日)の時点で該当株式を該当単位以上保有していれば、その翌日以降ならいつ売却しても株主優待の権利を得られます。これは、株主として名簿に記載されるために3営業日必要である事に起因します。

権利落ち日前後の株価の傾向

魅力的な株主優待の場合、それを狙う投資家も当然多いわけで、権利付き最終日に近づくにつれて優待対象の株式を取得する投資家が増えていきます。

もし株価を下落させるような大きな要因が無ければ、一般的に権利付き最終日に向かって株価が上昇していくと考えられ、実際にそのような動きを示す株式が多いです。

しかし、株主優待だけを狙って株式を取得した投資家は、長期保有をせずに権利が確定したら株式を売却してしまう事が多いようです。その日が権利付き最終日の翌日(権利落ち日)です。株主優待狙いの短期保有投資家が権利落ち日に売却する事で、権利落ち日には株価が下落する事が多いのです。

株主優待を狙って陥りやすい失敗

権利落ち日に株価が下落する以上、株主優待で利益を得ても、売却額によって損失を出してしまう投資家も多いと思われます。

例えば、10万円で株式を購入して株主優待として3,000円分の商品券を手に入れたとしましょう。この時、10万円以上で売却出来れば、3%以上のリターンで上々と言えますが、売却額が97,000円以下だった場合、手数料も合わせて損失を出してしまう事になります。 取引コストを無視すれば、理論価格で10万円だった株価は権利付き最終日までに10万3,000円近辺にまで株価が上昇し、権利落ち日に10万円に戻ると考えられます。

しかし、実際には取引コストもあり、10万円以下にまで下落する事も多く、株主優待を狙って早くから株式を購入する投資家も多いので、株主優待の権利を取得した上で購入価格以上で売却するのは簡単ではありません。  

株主優待をもらわずに利益を確定させてしまう手法

株主優待で貰えるものに拘らなければ、比較的利益をあげやすいかもしれません。それは、前もって株主優待の対象銘柄を購入しておき、権利付き最終日の時点で売却してしまうことです。

権利付き最終日の時点で売却してしまうので、権利確定日に株主名簿に掲載されないので株主優待を受ける事はできませんが、権利付き最終日に向けて上昇している株価で売却出来る可能性が高いので、利益をあげやすい方法であると思われます(他の要因で大幅に株価が上昇したり下落したりといった事が無い場合の話です)。  

株主優待狙いの銘柄をいつ買うべきか

一方で、どうしても株主優待を貰い、かつ、損失は出したくないという投資家も多いでしょう。株主優待は、金銭的利益だけでなく株主だけしか受けられないサービスなど独自のプレミアがある場合も多いからです。

現物売買だけで株主優待を受けつつ利益を出す為には、権利確定日より2~3ヵ月前と早めに当該株式を購入する必要があると思われます。権利落ち日の株価より低い株価で株式を購入しなければならないからです。

しかし、早めに買えば買うほど、その他の要因による株価変動の影響を受けるリスクが高くなります。 また、現物買いと空売りを組み合わせる事で利益を確保する方法もポピュラーです。

ただし、こちらは信用売りが必要になるので、こちらも大きなリスクを取る事になります。 毎年欲しい株主優待銘柄をじっくりと長期的に保有するか、前述のような権利落ち日以前の売却が賢いのではないでしょうか。

しかし、欲しい株主優待が複数あり、かつ、資金制約が大きい場合など、短期保有しかできない投資家もいるでしょう。株主優待を狙って損失を出したくないならば、その分リスクを取る必要があります。

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